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2020年最初の完成品、「1/72 Xウイング・ファイター ポー専用機(スター・ウォーズ/スカイ・ウォーカーの夜明け)」の制作を振り返りたいと思います。


購入したのは12/16。映画の公開前ですね。

これがどういう活躍をするのかなぁとワクワクしながら作りました。

公開前に発売されるプラモって楽しい。


Xウィングだからサクッと完成だろう、と思ってましたがデカールを見てしばし沈黙。

色分けがそこそこ大変そうです。

デカール使えば楽なんですけど、マスキング塗装するとなるとそれなりに大変ですよね、Xウィング。


公開前だから謎が深まるパーツがそれなりに。

立ち姿のフィギュアがなぜか板人間です。公開後も謎は解けませんでしたが、なんでこんな仕様なの???


新たなXウィングはレジスタンスXウィングの色変えだからデカール表現かなと思いきや、出来る限り成形色で表現している。おかげで旧Xウィングのパーツが余る余る(×印)。とてもバンダイらしい。


手前の白いパーツがまるごと使わない旧Xウィングのパーツ。

特長的な斜めに走る色分けラインが成形色で表現されている。

これ、かなり塗りやすいよね。


グレーの部分とかはマスキング塗装しなきゃいけないんだけども。


このXウィングで最高潮に面倒くさくて悩ましいのがココかも(デカール番号32)。

もともとレジスタンスXウィングは翼の合わせ目が鬼門なんですけど、この翼はオレンジの色分けは不要で白とグレーのみなんですね。


試しにシールを貼った完成イメージ。

合わせ目はデカール処理すれば消しやすい。

だからグレーの部分だけデカールを使うのが最も楽な方法かも。

でも今回は合わせ目処理してマスキング塗装してウェザリングという基本的な手順でいくことにしました。


バンダイのスター・ウォーズプラモの素晴らしいところはシールと水転写デカールの両方が付属しているところ!


シールは使わないようでいて使いようがあるのです。

たとえばキャノピーのマスキング塗装。とっても便利なマスキングテープです。

ただし、粘着力がかなり強いので扱いには注意が必要。

僕は手の甲とかに何度か貼り付けて糊を落としてから使ってます。これは普通のマスキングテープなどでも同じ使い方だけども。粘着力が強くて下地の色がペリって剥がれたら泣けてきますからー。


それにしても、こういう分割を見るとバンダイの熱意というか、執念というか、意地でも塗装をさせねーぞ!みたいなわけのわからん頑張りを感じますね。変態。


ガイアのサフにメカサフヘビーを混ぜて暗めのグレーを下地にしました。

これにヘアスプレーをして、それから機体色を塗ります。

オレンジが発色するか不安だけども。

ヘアスプレーによるチッピングって、とても合理的で素晴らしい技法だけども、キャラクターモデルでどれだけ使えるのかって問題があるよね。

下地によって発色しにくいこういうケースのときにそう感じます。

我慢し続けて約10年使ってきたハンドピースをついに更新。

このXウィングから使い始めました。

安価でパーツが豊富で取り寄せやすいairtexで揃えることに。

手前の赤が0.5mmで主にサフやメタリック用。

奥右が0.3で普段使い。

奥左が0.2のセルフィー で細かい塗装や疲れてるときに(シングルアクションでラクなのよ)。


マスキング塗装って面倒だけど、シャキッときまると剥がすとき気分いいよね。


基本的な塗装が終わったところで、次は電飾の工作に入ります。ではまたー。

2月末までバンダイのスター・ウォーズプラモデルのフォトコンテストが開催されてますね。


ツイッターで応募可能、何点でも応募可能ということで、かなり気楽に応募しています。

そして、家に在庫しているバンダイプラモを作る良い機会。

途中放置しているキットも作らないとね。


ということで、めいが放置していた1/48のXウィングをやろうとしたんだけど、キットを出してきたらそれはめいが自分でフィニッシュまでやると。

現在、毎日チクチク短い時間でも油彩で汚しをやっているようです。あと1週間くらいかな?

でかいキットに手をつけられなくなったので、僕は逆にちっこいビークルモデルを。

箱に記載はありませんが、スケールは1/144のようです。セットものの商品のほうにはスケール記載があるのよね、ビークルモデルって。


まずはマスキング塗装。付属のシールを切ってマスキングに利用しました。

レーザー砲のぐるぐる模様はマスキングテープでぐるぐる。

3mmのLEDがブースターに入らないことはないんだけど、もろLEDが露出してしまうので、今回はチップLEDを採用。

できればピンクの光が良かったんだけど、チップだと赤しか見つけられなかったので今回は赤い光です。

ブースターは中をくりぬいて、横に少し配線を流せるように加工しました。


ブースターから伸びたコードは本体の底面へ流しました。

Xウィングは翼が可動するするのがちょっとやっかいなところです。

可動を損なわないように配線しないといけないからね。

今回、台座に電池ボックスとスイッチを作ることにしたので、台座の軸にコードを通す作戦。

並列回路なので4つのLEDからの計8本の線を通しています。


付属の台座だと電池ボックスを入れるには高さが足りないのでタミヤ角棒を使って底上げ。こういうとき、ほんと便利よね。タミヤプラ棒。


このタイミングで本体のウェザリングも行いました。

ウォッシングや汚しは油彩で。

つや消しで本体塗装を行っているので、汚しはきっちり落ちません。

どうしてもにじんでしまう。

なので、ウォッシングといってもじゃばじゃば洗うのではなくて、ピンウォッシングに近い感覚でできるだけ正確に、落とす範囲は最小限に。


今までは消す方向のウェザリング作業が多かったのですが、最近は足す・重ねる方向のウェザリング作業になっています。


使った油彩はホルベインのランプブラックとローアンバー、クサカベのバーントシェンナ、バーントアンバー。

クレオスのウェザリングカラーのマルチホワイトは退色表現に使いました。

ピグメントはメタルスラッグを使いました。ピグメントはちょいちょい集めていきたい。

安くはないので月に一個買っています。油彩は月に4〜6色程度。

ちびちび集めるのが楽しい。


台座の軸にリード線を通して、プラ板で蓋。案外通るものです。でも、10本は無理。


台座の裏はみったくないので見せたくないのですが、こんな感じ。グルーで埋めちゃいました。スイッチと電池ボックスの固定、配線の固定、ついでにちょっと重くしたかったので埋めちゃったのです。それにしてもやりすぎ。。。

ともかくこれで完成です。


小さなモデルだけど、スマホでぴゃーっと拡大されても平気なようにウェザリングをがんばりました。


台座につけたスライドスイッチでLEDが点灯。これがやりたかった。


羽もちゃんと閉じます。だからどうしたってことなんだけど。

実はこれで今年5作目。かなりハイペースです。

ブログにあげてない作品もいくつかあるので、それはそのうち。ではまた!

おそらく2017年?くらいにプレミアムバンダイで買っておいたキャスバル専用ガンダムに決着をつけました。


ゲームに登場したシャア専用のガンダムです。

if設定ですね。ギレンの野望、面白かったなぁ。。。


このキットの特徴は、成型色がカラーリングを再現しているということと、専用の水転写デカール付属、あとシールドが新たに作られていること、くらいですね。


いまさらながら初めてガンダムのver.3.0を組みました。

悪くはないけれど、結構クセが強いキットだな、と思いました。


水転写デカールは付いてないし…。それが一番つらかったかな。

でも、娘のめいが以前作ったときに買っておいたデカールがあったのでそれを結構使いました。えらいぞ、めい。


全体のフォルムは結構かっこいいんだけど、各所に不用意に(?)入れられたパネルラインに違和感。今回はそれを彫り直すだけで特段新たにスジ彫りをしませんでしたけど。


ただ、パーツによるパネルラインの再現が多いキットだったので、これを生かして色で遊べないかなと画策しました。


ということでいきなりですが、完成画像とともに制作で工夫したことなどを。


ひさしぶりにガンプラを作ったせいか、とにかくヒケがすごいと感じました。

スナップフィットだから仕方ないのですが、そのヒケを解消するためにやすりがけばかり。

ヒケ処理のために細かいモールドが消えちゃいそうになるので、まずはモールドを彫り直してしっかり面を出してやる。そんな基本的な工作ばかり丁寧にやりました。


制作当初からグロスとマットを織り交ぜて塗装しようと考えていたので、ヤスリがけは1500番でフィニッシュ。

マット仕上げだと普段は600番くらいでフィニッシュしてるので手間がかかりますよね、グロス仕上げ…。


真っ赤な機体、という感じのキャスバル専用ガンダムですが、実は色数が結構多い。

まずはピンクですが、これは今回シャアピンクを使いませんでした。

クレオスの「ガンダムカラー・フォー・ビルダーズ MS-06Sピンク Ver.アニメカラー」という色を買ったんです。


蓋の色がね、サーモンピンクよりのピンクだなって思ったんですよ。

いや、そりゃあ蓋の色と実際の色はある程度は違うというのは織り込み済みで購入です。

しかしですね、あまりに違う。これ、いわゆる明るいピンクでした…。

ガルパンカラーもそうでしたが、蓋の色とあまりにも違う色が最近多くない?


仕方ないから、手元にあったガイアのクリアレッドを混ぜました。

ピンク:クリアレッドが7:3くらいの割合で。結構な割合です。


ということで、明るいピンクは、

ガイアサフ(オキサイドレッド)、ガンダムカラーとクリアレッドを混色したもの、フラットコートの順で塗りました。



頭の一部や肩の下部の赤はキャンディ塗装です。グロス部分ですね。

これは黒サフ、クレオスウィノーブラック、クレオスレッドゴールド、ガイアexクリア、ガイアレッドクリア、ガイアexクリア(3、4層)で仕上げてます。



ゴールドの部分は、上の手順で、レッドゴールドまで塗装して、クリアでトップコートしてます。



黒の部分は、黒サフそのままです。

胸の部分やコアファイターのグロスのこげ茶は、

黒サフ、ウィノーブラック、ガイアスターブライトシルバー、ガイアexクリア、クレオスディープレッドクリア、ガイアexクリア(3層)です。


こげ茶は2色ありまして、ダクト部分や、アンクルアーマー、腰の四角いところなどは暗いこげ茶の設定になってます。

黒サフ、ウィノーブラック、ガイアダークステンレス、ガイアexクリア、クレオスディープレッドクリアと、先ほどのこげ茶より下地の暗いキャンディ塗装をしておいて、最後にフラットコートをしてマット仕上げにしています。

キャンディ塗装のフラット仕上げ。これが結構好きです。深みのあるメタリックのような仕上がりになります。


関節色の一部に使ったグレーはガイアニュートラルグレー4にフラットコートです。


ガンプラは下地処理が結構面倒で遠ざかってましたが、いろいろ苦労して塗装が終わり、それを組み上げるときの楽しさは追随を許さないですね。

キャスバル専用ガンダムはそれを思い出せてくれました。

今年は月に一個、ガンプラを作りたいなぁ…。

2019年3月のことです。

基本的な処理が終わってあとは塗装だけ、となっていたジムキャノンを突然取り出しました。

今までやったことのない塗装方法を試してみようと思ったのです。


まずはサフ吹き。


組んだまま足を持って吹きます。とてもおおざっぱでございます。


サフを吹き終えたらそれを明度の中間色に設定。

暗の部分、シャドウ部分にウィノーブラックを吹きました。


逆さまにして近めで吹くのが上手くいくコツかな、と思いました。


シャドウを強く吹きすぎたと思ったので、ガイアノーツのニュートラルグレー3を中間色として吹きつつ、強目のシャドウを修正(左)。メリハリがなくなったようにも感じたので、後で修正することにする。


ガイアノーツのアルティメットホワイトでハイライト部分を塗りました。

ここからは筆メインで明暗をつけていきます。


細筆でエッジを中心にホワイトを乗せていきました。

全体的にまだ暗いので、再度アルティメットホワイトを吹きます。


エッジのホワイトがガイドになるのでハイライトを吹きやすかったです。最初からこの手順にすればよかった…。


エナメルのスミ入れ塗料ブラックをエアブラシで吹き、それを落としてウォッシング。


エナメルの黒でチッピングやストレーキングの下書き。

最終的に汚しを入れるときのガイドになればいいなという程度にとどめました。

これにて下地になるモノクロ世界の塗装はおしまい。これからカラーの世界の塗装に入ります。


塗装をするとき、まず基本となる色を塗ってから明暗の表現をする、という手順が一般的。

ですが、今回はホセ・ルイス・ロペス氏の塗装術、ブラック&ホワイトを参考に明暗の表現を先にやってしまおうと試みているのです。


1:4〜5くらいの希釈で薄い塗料を作り、下地を塗りつぶさぬように、ランダムに本体色を塗りました。

ツヤありの状態なので、これからデカールを貼って、その後に半ツヤのトップコートを吹き、ウェザリングの作業に入ります。


ところでクレオスのスーパークロームシルバー2をこのとき初めて使ってみたんですが。


シルバーを筆でちょい塗りするときにいいですね。塗りやすいし発色もいいです。

そういう銀ってなかなか無い。

さて、ウェザリングに入るわけですが、どの程度の汚しにしようかと、まずはシールドを汚して全体のイメージを決めることにしました。

まずはチッピング。

スポンジや筆でやっていきました。


細かい擦り傷は、白の色鉛筆で。

これが手軽なわりにあなどれない効果を発揮。


サビの表現も水彩色鉛筆で。

ダイソーで12本で100円のやつです。

水彩色鉛筆は水に溶ける色鉛筆。使い方いろいろです。


サビの表現がきつすぎると感じる箇所には埃の入れたり、それをぼかしたりすると落ち着くような気がします。


銀のハゲチョロも水彩色鉛筆で。

これはちゃんとした画材屋さんで買った色鉛筆で一本160円くらい。

ドイツ製のこの銀色鉛筆は発色もいいです。


埃の表現はうっすらな感じに。


実物を見る分には気にならないけど、写真を拡大すると粗が目立ちます。

いまはスマホでピヤーッと手軽に拡大されるということもあり、ルーペを見ながらこうした粗を修正していきます。


埃表現はウェザリングカラーのサンディウォッシュで。

埃がたまりそうなところにまずは塗料を置いて、それを下方向に垂らしたり、ぼかしたりしました。反省点は一気に塗料を置かずに少しずつ進めたほうがよかったなってこと。

ウェザリングカラーは僕にはシャバシャバすぎるので原液がほしいです。

とても便利な塗料だけど、なにか他に無いかなぁ、もう一段精密なウェザリングをしたいなぁと自分の限界を感じさせてくれる塗料でした。

なんというかウェザリングの作業が定型化してしまうというか。

いや、本当にいい塗料シリーズなんですけど、良い塗料ゆえにウェザリングの奥深い世界に誘い込まれるといいますか。

ともかく、このジムキャノンを機に、もっと上達したいと考えるようにはなりました。


泥もつけたくなったので、ウェザリングペーストのマッドホワイトを伸ばしたり弾いたりして、続いてマッドブラウンを。

最後にマッドブラウンの実感を出すためにウェットクリアーを塗りました。


これにて完成!


今回、特別な工作はしていないし、そもそもいきなり塗装から入ったようなものなので、その分だけ塗装に集中して手数をかけられました。なかなか収穫の大きかった作品だと思います。

ではまた。

ストリーミングなどが主流になりつつあるこの時代、ジャケ買いなんて言葉は音楽業界になくなるのかな。

でも、プラモの世界ではまだまだあるよね。

模型屋さんでこのプラモを見たら買わずにいられませんでしたね。

このシンプルなジャケット。


素晴らしいじゃありませんか!


この箱に入ってるのはカブトムシ以外の何物でもないと主張しつつ、まったく飾る気のないフォントで書かれた商品名『カブトムシ』。


シンプルすぎてこれはもう買うしかない、そして作るしかない。


『カブトムシ』 [フジミ 1800円(税抜)]。作ってみると実に簡単で楽しい模型でした。


ところで発売元のフジミさん、「自由研究シリーズ」であるこのキットの発売時期が実にビミョーだったのよね。

夏休みの自由研究に合わせての発売なんだろうけど8月17日発売(去年のね)って…。


夏休み終わるじゃねーか! 


ついでに申しますと続編である『クワガタムシ』も発売されてまして、こちらは8月30日の予定が遅れて9月3日発売…。


北海道の夏休みは短い。そして、最近はカブトムシも捕まえられるようになったそうだけど、北海道で馴染みがある虫といえばやっぱクワガタだよね。それが間に合わないって寂しかったよね。


始業式までギリギリどころか間に合わないというまさに夏休みの宿題らしいキットの発売。


フジミのそんな強気な姿勢に「宿題やってきたんだけど持ってくるの忘れた」なーんて言い訳を思い出させてもらったよ、まったくもう。 


今年の夏には新作として「オオカマキリ」と「ザリガニ」の発売が控えていて、こりゃ買うしかねーな!と期待しまくってるんだけど、相変わらず夏の終わりに発売なんだろうか。そうだとしたら安定感あるよね。ある意味、楽しみ。


さて、このキットを買って帰ったら、うちの息子も食いつく食いつく。


「えー! こんなプラモあるんだぁ!」とまあ父親と同様に作りたくて仕方がないみたい。カブトムシを巡って親子ゲンカになりそうだったが、大丈夫。

このキット、カブトムシが2体入っているのである。


定価1800円と聞いてそれなりにするなぁと思ったけれど、1体900円ならそれほど高いもんじゃない。話題性を考えたら、むしろ安い部類のプラモだと思うぞ、これは。


組み立てに関しては難易度が低く、プラモに馴染みのない子供でも楽しめるでしょう。


手でパーツをもぎ取れるのでニッパーが要らない仕様だし。


でも、これって触覚のような細かいパーツはもぎ取った拍子に破損したり傷つくこともあるので結局ニッパーを使っちゃうのよねぇ…。

こういう一見すると親切な仕様ってホント余計なお世話だと思う。


一方で設計に関しては二重丸の出来。パーティングラインがちょっと気になるが、パーツとパーツの合わせ目の処理はまったく必要がない。


そのために可動部分が少なくなっているのが残念だけど、これはまあ「プレイバリューよりもリアリティー」という設計思想によるものなのだろうから仕方ない。


ちなみに足の可動部分は人間でいうところの肩のみ。手首や肘は動かない。

しかし、頭をかしげることはできるので、それなりにポーズの自由度は高い…と思う。 

 仮組みが終わった状態。手のひらに乗るちょうどいいサイズ感。キットにスケール表記はないが「1/1(個体差があります)」といったところか。


このキットを僕は制作物の展示会場で暇つぶしに組んでいたんだけど、来場者がこれまた食いつく食いつく。

「へ〜、ありそうでなかったねぇ。買ってみようかなぁ」という声をいただいたし、女性陣からはプラモ好きのオタクというより少年の心を忘れないオッサンという温かい視線をいただいた気がしましたよ。気のせいかもしらんけど。


さて、組むのは簡単だったけど、難しいのは塗装だ。

虫を塗ったことがあるモデラーがいったいどれだけいるのだろうか(笑)。

とりあえず、僕は艦底色を吹いてからシャドウをつける感じで黒を吹いてみた。

足を塗装しているときは、この時点でゴキブリとの差がわからなかったけれども。


だけど、そんな塗装の難しさが上級者も楽しめるこのキットの懐の深さ、凄さだし、なにも実物に似せて塗装する義務なんて誰にもないこともお忘れなく。


プラモなんだからピンク色でも水玉模様でもいいから自由に塗って楽しめばいいのだ。


僕は2体目をコガネムシっぽく塗装して遊んだ。


こんな遊び方ができるのも2体付属しているからであり、カブトムシをわざわざプラモにした意味なんだろうなぁと僕は思う。

そういえばこのキット、 羽根つき(生理用品みたいな表記)なので飛行形態も再現可能。

ダンバインにも流用する人が出そうだけど、その精度はそれほどでもない・・・。

完成して写真を撮ってみたけど、なんか違うよね。こういうのはやっぱり屋外で撮影したい。




でも、周りに人がいないほうがいいな。

僕なんか近所の人に「なにしてんの?あ!カブトムシ!」なーんて言われて、

「あー、これ、カブトムシじゃないんです! いやカブトムシなんだけどプラモなんです!」ってアタフタしてしまって面倒くさかったぞ。諸君も気をつけてくれたまえよ。

我が家にはいろいろと変なプラモがある。

変なものが好き、という僕の趣向を理解してくれている友人が譲ってくれたり、模型屋さんで見つけて一目惚れしたり。

それをいつ作るのかは別問題で、とにかく、とりあえず在庫してしまう。


いやいや、プラモは作るもの。未完成のまま眺めるものじゃない。

と、たまには賢者タイムに入って埃のかぶった箱に挑んでみる。


そんな感じでいつかは作りたいと思っていたコイツを作った。

めずらしく「いつか」が来たもんだ。

“模型界の暴走列車”ことアリイの昭和の歳時記シリーズ・1/32 DIORAMA MODEL KIT『行水』(600円・税抜)。

このシリーズの説明文では


「いつも新しい驚きと、発見があった昭和30〜40年代(中略)そんな思い出の風景をジオラマで再現しました」とあり、


『行水』のキット説明では

「夏の強い日差しのさす午後は、ウラ庭での“行水”はほんとうに気持ちのいいものでした」と実に爽やか

しかし、実際のキットの中身を見てみると、昭和の裏ビデオに出てきそうな美人ではないが陰のある女性が行水していて、「ほんとうに気持ちのいいものでした」が別の意味に思ってしまうし、女性の裸を覗く男まで付属していて「新しい驚きと発見」がこれまた違った意味なんじゃないかと深読みしてしまう。


さすが模型界の暴走列車。凄い。

また、キットの箱には「組み立てカンタンなイージーキット!」なんて書いてあるが、これも期待を裏切らない。


パーツのほとんどが合わず、普通に形にするだけでも中級以上の腕を必要とし、付属するジオラマ素材は木が一本。草だの砂利だのは自分で用意して勝手に作れという親切設計だ。


接着剤不要、塗装不要の色付きプラモが主流の今の時代ではクレームの嵐だろうな。

イージーの幅が実に広い、そんなところも昭和を感じさせるプラモだ。凄い。

しかし、シールは付属する。親切だ。

だがしかし。期待を裏切られることはない。

説明書には「シールは切ってのりや両面テープではります」とある。

つまり、シールという名のただの紙である…。凄い。


説明書もほのぼのとした雰囲気。

しかし、説明書でにこやかに描かれているこの男。役回りは「のぞき」である。凄い。


この小さな鶏、パーツ数が1匹4個。

しかもパーツは見事に合わない。組み立てて立たせるだけでもやっかいだ。


〝組み立てカンタンなイージーキット〟がいったいどこにあるのか、それを探す旅に出たい。本当に凄いなこのキット。


なんだかイロイロ文句ばっかり言ってしまったようだが、キットを組み立てていって物干し竿や子供たち、鶏や電信柱などジオラマの素材が揃ってくるとこれがなかなか楽しい眺め。


ほのぼのとした少年のフィギュアを塗っていると、いたずら心に火が点いてついつい十円ハゲを描いてしまったぞ。


うん、楽しいな、これは。ところで十円ハゲ、実際は見なかったよね。主に見たのは頭に傷を作って“貯金箱”とかバカにされるヤツだよね。

そんなこんなで、どんなこんなだか知らないけれど作ってみれば遊び心くすぐられる昭和の歳時記シリーズ。


もっと作ってみたい。もっと子供フィギュアを塗装してみたいと思った。

しかし、このキットはもともと河合商会というメーカーが作っていたようで、同社は2012年に倒産。


この昭和の歳時記シリーズも含めて河合商会の情景シリーズはアリイに引き継がれていたが、そのアリイも現在はプラモ製造からは撤退し子会社のマイクロエースが旧製品の再生産を続けているのみだそうだ。

プラモは金型さえあれば大量生産でき、キットは生き残る。


しかし、金型を保管している会社がいつまであるかはわからない。急いで集めなければと、『行水』以外のキットを調べてみた。


すると出てくるわ出てくるわ、『縁日』やら『赤ちょうちん』やら『紙芝居』やら気になるキットの数々が。シリーズで16ほどのキットがあるようだ。


しかし、である。しかし、なのである。

このシリーズ、よく見てみるとすべてのキットに子供が3人付属している。


すべてが着物姿の女の子と指差す男の子、そして指をしゃぶる男の子…。


ぜんぶ使い回しじゃねーか!


金型を使い回し、シリーズ内で3人の子供を大量生産した河合商会。売り上げ不振をカバーするための苦肉の策なのか、ただの無精なのか、謎は深まるばかりだが、そんなシリーズ、売られてもユーザーは集めないわなぁ。


倒産も納得せざるを得ない凄いシリーズなのであった。

去年、珍しく予約してまで買ったのよ、これを。


『ハセガワ 1/35 ヤンマー トラクター YT5113A』(3200円・税別)


このトラクターはダイキャストのミニカーを買おうかと思ってたくらい好きなので、昨年11月に発売されると聞いてからは予約せずにはいられなかった。それくらい好き。


なにがそんなに惹かれるのだろうと思ったのだけど、たぶんそれは意外性とデザインそのものの秀逸さ、だと思う。


「トラクターなのにカッコイイ」「こんなかっこいいトラクター、見たことない」

そんな衝撃が虜にさせたのだと思う。

庭師なのにイケメン、しかも筋肉すごい。そんな人いたよね。あんな感じ。僕は筋肉好きじゃないけど。そして男も好きじゃないけど。


さて、このトラクター。奥山清行氏が代表を務めるデザイン事務所がデザインしたというのだから驚き。というか、納得。


奥山氏といえば、「イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男」ですよ。

エンツォフェラーリっすよ(画像は拾い物)。

好き嫌いが分かれるフェラーリだけど、フェラーリのデザイン史に大きな足跡を残したのは間違いないよね。僕は大好き。見るからに速そう、凄そう。子供も大好きな車だと思う。そういうデザインってすごい。


すごく奇抜なようでいて、実は機能的。空気の流れが目に見えるよう。そんなエンツォのデザインと同じようにヤンマートラクターYT5113Aも、作っていると実にシンプルで機能的だということがわかる。見た目は派手なんだけどね。


作っていてそんな感想を抱くのも、ハセガワが単なる話題性の大きいプラモを作ったというのではなく、誠実にスケールモデルとしてキットを開発したから。


スケールモデル。実物に忠実であることが求められるそのジャンルの仕事をハセガワはしっかりこなしている。


ランナーから切り離したときのゲートかすみたいな小さなパーツに四苦八苦。

老眼に苦しみつつ遠近両用サポートレンズとルーペを駆使して塗り分けに四苦八苦。

こんなところまで作るのか、完成したら見えないじゃん。でも、そうやって実物を忠実に縮尺したことであることを楽しむのがスケールモデルというものらしいよね。正直、僕にはそういう趣味はないので見えないところはさっさと終わらせたい。

小さなパーツ群に苦労してなんとかシャーシが完成。

「うわー、このトラクターかっこいい」って思った小さな子供が組めるようなそんなヤワなプラモでは決してない。子供は迷わずトミカ買え。それが無難だ。

それにしても、小さい。この小ささではさすがにエンジンの再現まではしなかったか。

うん、それがいい。だってカーモデルのアレ、完成したら見えないもん。

ん?そういえば小さすぎるよな。

え?1/35?

そう、僕はこの時点になってようやくこのキットが1/35であることに気がついた・・・。


なんとなく、カーモデルといえば1/24、あるいは1/20。価格的には1/24と思い込んでいたのである。


1/35なんてミリタリー系じゃないの。このトラクターを一体何と並べるというの。

ただでさえ老眼で小さなパーツから逃げたくてイライラしてきたのに、並べられる同スケールの車があまりないことに気づいて怒りに似た感情がフツフツとわきあがるのであった。


なぜだ!なぜなんだハセガワ!


この2月に発売された『ローゼンバウアー パンサー 6×6 空港用化学消防車』もスケールは1/72。。。

小さくてつまんないよね。1/72の飛行機としか並べられないじゃん。あ、あれは空港の消防車だからまあいいのか。


これじゃあ、ハセガワから出てるショベルカーなどの建機シリーズとしか並べられないじゃん。


ほんとに、なぜ1/35とか1/72にしたのだろう。。。


3000円前後の価格帯に納めるにはこうするしかなかったのか。

1/24だったら、もっと迫力が出たし、もっとスケールモデルとしての楽しみも増えただろうに。


3200円。子供向けの価格でもなけりゃ、大人の趣味としては安い。

実に中途半端で残念きわまりない。


5000円を超えるとスケールモデルは途端に売れなくなるのだろうか。

そうだとすればとても悲しいことだ。

ユーザーの出し渋りが商品を中途半端なものにして、業界全体を劣化させていく。


日本のプラモは安い。

今のところはその内容に対して安い。

しかし、今のままではその内容に対して高いということになっちゃうんじゃないかな、なんてことまで考えちゃったよ。考えすぎだといいけど。


さて、ボディの塗装。

フィニッシャーズの赤が好きなので、どの赤にしようかと悩んでいたら説明書の指定ではクレオスのレッドにゴールドを少量混ぜる、とある。


どういうことだろうかと実車の画像を探してみた。

東京モーターショー2015の展示車。(拾い物画像)

たしかにメタリックに輝く赤。これがコンセプトだけなのか実車もそうなのかはわからないけど、これはかっこいいから目指してみようということで塗装開始。


パーツをしっかり下地処理(3000番までかけた)をしてサフは吹かないことに。結構塗り重ねることになるので少しでも塗膜は薄くしたい。


まずはクレオスのウィノーブラック。

続いてクレオス9番ゴールド。0.2口径のエアブラシだと詰まる詰まる。

そしてガイアノーツのクリアレッド。この後デカールを貼って、ラッカーのクリアを4層吹き。

ウレタンを吹こうと思ったらダメになってて使えなかったからだけど、わりとシャープさが必要な形状だったので結果的には良かったかと。


その後は・・・

運転席の細かな塗り分けで眼精疲労を起こしたり、

やらなくてもいいのに気になって、車体前面のオモリ部品に穴開けたり切り欠いたり、

クリアの乾燥を待って、デカールの段差を消すために研ぎだしたり、

窓枠のデカールが難しすぎてこりゃ塗ったほうが正解だったかもーってなったり、

俺には完成は無理だ、トミカで十分だと、いじけて犬の上でブンブン遊んだり、

ニシンを釣ったら、



完成!



細かいところまでがんばって作ったので見てほしい。

いや、あんまり見ると粗がわかるから遠目で見てほしい。

と、そんな複雑な心境にさせてくれるキットでした。


トミカのようなミニカーは秀逸なデザインに触れて確かめることができる。

プラモデルではさらに秀逸なデザインを理解することができる。


見て触れるだけでは分からない楽しみが、プラモデルの「作る」に秘められている。

そんなことを確かめられるハセガワのヤンマートラクターだった。


・・・1/24で作りたかったなぁ(笑)。



先月発売されたウルトラマン、バンダイの「1/12 ULTRAMAN SUIT Ver7.5」。


これの色を塗りなおそうと考えた。


グロスインジェクションという仕上げの赤いパーツと・・・

エクストラフィニッシュという仕上げの銀色のパーツ。


そんな仕上げをもともとされているので、

はっきり言って塗る必要がないくらいかっこいい。


だけど、合わせ目処理なんかをすると塗りなおさなきゃいけない。

そうなると、もともとの塗装はできるなら落としたい。


ということで、実験することにした。


グロスインジェクションとエクストラフィニッシュは落とせるのかを実験したみたのだ。

いきなりパーツそのものを使うとリスクがでかいので、ランナーを使う。

まずはラッカー溶剤にドボン。

いわゆるドボンである。


ラッカーシンナーではまったく動じないエクストラフィニッシュの銀。

赤のグロスインジェクションもまったく動じない。


実験結果。ラッカーシンナーでは落ちない。

ついでに、クレオスのウェザリングカラーの溶剤も試したけどまるで落ちない。頑固。


続いて、ガイアノーツのツールウォッシュ。

あっさりと落ちた!

しかし・・・

プラを侵すのか(?)、理由はわからないけど、べたべたになって使い物にならない。


実験結果。ツールウォッシュは落とせるけど、使い物にならなくなる。


続いて、ウレタンシンナー。

落ちた!

しかし、ツールウォッシュと同様にプラがデロデロに。

グロスインジェクションも落ちたけど、これも使い物にならない。



実験結果。

グロスインジェクション、エクストラフィニッシュには無駄な抵抗はせず、上塗りするのがいいかも。ざらつきが気になる箇所は磨いてから塗装するといいかも。

今月はフジミの「軍艦島」を買う予定だったのですが、、、

店内で見てしまってからどうしても我慢できず買っちゃったよ。


バンダイの「1/12 ULTRAMAN SUIT Ver7.5」。


組み立てるアクションフィギュアというコンセプトなのかな、「Figure-rise Standard」シリーズからの1月下旬に発売されたばかりのキット。


先行して「1/12 ULTRAMAN[B TYPE]」が昨年11月にマンガ『ULTRAMAN』からの第一弾として発売されたんだけど、このときはちょうど財布の中身が寂しくて買えなかった。

ほしかったんだけどね。


価格は4,860円(税込)。


安くはないよね。他のプラモも買っちゃってたし。


実のところ、マンガの『ULTRAMAN』は読んだことがなくて、コミックスの表紙だけ見て「お、かっけーなぁ、このウルトラマン」とは思っていた。


プラモが発売されて、欲しかったけど我慢していたら、今年になってこの「セブン」が発売。

僕の知っているセブンとはずいぶん違うけれど、スペシウム・ソードを持つその姿にノックアウト。

ウルトラマンが剣を持ってるなんてねぇ・・・これがキライな男の子がいるんでしょうか。(反語)


さて、このキット。

箱を開けてみると、妙に素敵なツヤを帯びた赤いランナーが目を引く。


グロスインジェクションという仕上げらしい。

PGアストレイやRGサザビー、あるいは色は黒だけれどダース・ベイダーで用いられた手法だよね。

すごく魅力的な色をしてるし、自分で塗装してこのツヤを出すとなるとかなり大変。


銀色に関してはエクストラフィニッシュという手法が使われているみたい。


パーツの裏を見てみると成型色の白が見えたり、腰の部分とかは塗料が入り込んでない箇所があったり。エアブラシみたいなもので塗料を吹きつけているのかな。


こちらに関しては、塗り直したいなぁと僕は感じました。組んでるときは。


塗装済みキットのような感じなので、ゲート跡が残らないように設計されてるし、アンダーゲートの部分もかなり多い。


それでも合わせ目処理が必要になる部分はいくつか。


頭のてっぺん。


上腕。


手首。


前腕裏側。


上腕裏側も。


膝下裏側。


仮り組みをすることで合わせ目処理をしなくちゃいけない部分が見えてきただけどね・・・

無塗装でも十分にかっけーじゃねーか!


いや、くそかっこいい。


この際、シールを説明書の指示通り貼って、スミ入れだけして見てみよう。


これで十分じゃね?


グレー部分の塗り分けを担当するシールはいまいち見た目が良くないから、ここだけ部分塗装するか、もしくは見なかったことにしてシールを貼らない&部分塗りしないというほうが見た目はいいかも。


スミ入れもしてみたけど、ちょっとやぼったいかもね。1/12だし。

自然にできる影で十分なのではとも感じました。


よく動くキットでプレイバリューも高い。


ガシガシ遊べます。楽しい。

アクションフィギュアってガシガシ動かしてこそ楽しい。


そんなことを考えると、合わせ目処理も本当に必要なのかなって感じちゃうよね。


ガシガシ遊ぶなら塗装剥げが怖くなるし、無塗装で十分にカッコイイし。


はたしてコイツに塗装は必要なのだろうか。


合わせ目を消せば当然、塗装をし直さなきゃいけない。

塗装を自分でしたら「塗装しないほうがよかった」ってことになったら目も当てられないな。。。


そんな恐怖を覚えるほどの出来栄えなのです。パチっと組んだだけで。


消費者としてはすごくいい商品を買えて満足なんだけど、モデラーとしては手を出すことが半分封じられているかのようなキットだよね。なんだかすっごくいいキットのくせに、重苦しい悩みを与えてくれるよね。


さて、僕はどうしようか。


時間があったらイバラの道に進むんじゃないかなぁ?

マゾであることを楽しむ趣味はないけれど、一応ね、モデラーのはしくれみたいな気概はまだ残っているみたいで「自分ならこう作る」みたいな爪痕を残したいよね。

いや、素組みのまま終わりにして次に進むのが大人の余裕というものなのか。

悩ましいわぁ。

最近、末娘のみも(8)が「ガンダムおしえて」とうるさい。


ちょっとでも僕の暇を見つけては「今日はガンダムできる?」とうるさい。


ようするに、模型を教えて欲しいと言ってきているのです。


模型なら姉や兄に教えてもらえるだろうけど、姉はおっかないし、兄は何を言っているのか大人でもよくわからない。


だから僕に言ってくるのか、それともただ一緒に父親と遊びたいだけなのか。


時間がないわけじゃないけど、「よーし教えてやるか」とすぐにはならないのが我が家流です。


長女のめいのときもそうでした。

突き放しても突き放しても、全然諦めなかったんで、根負けしたというか見込みがあるかもなと教えました。


突き放しが効いたのか、バネはよく縮んでいたようでよく飛びました。人の話をよく聞いて、人の手元や完成品をよく見ていました。


何事も準備は大事。


いまは弓をぎゅーっと引きしぼる時間だということで、末娘みもの「ガンダムおしえて」には応えません。


お父さんはモンハンをやり続けて無視するのです。

突き放すのです。


それでもまだ「模型がもっとうまくなりたいから近道教えろや!」ってなっていたら、「近道なんてないんだぞ、ばーかばーか」って教えてやろうと思います。


そもそも上手い下手なんて尺度はそぐわない分野なんですけどね。

知ってたらもっと模型が面白くなる。そんな考え方や作品の見方、基礎技術を子供達には伝えたいと思っています。

前回記事はこちら。

北方ジャーナル』2016年7月号に掲載されたコラム『根掛かり人生 ~今日も地球を釣っています…~』の第3回です。


Vol.3

魚を知り己を知れば
百釣危うからず…?

「外道」=「悪」ではないのよ

 昨年(2015年)夏のことです。釣りを始めて1カ月ほどの頃、僕ら親子は覚えたてのサビキ釣りでチカ釣りを楽しんでいました。チカのシーズンは3〜6月くらいのようですが、日によってムラはあるものの夏の終りまで楽しめます。

「今日はチカが寄ってきてくれないなぁ…」って日もわりとあるのだけど、そんなときでも「外道」のウグイがヒットして、わりと強い引きで暇つぶしをさせてくれるし、北海道の夏の海は心地よい潮風が吹いてて、釣れても釣れなくても海にいるだけで気分がいいもんです。

 ところで「外道」とは、もともと狙っていなかったけど釣れてしまった魚のこと。子供たちと釣りをしていると実にさまざまな外道がかかります。当初釣ろうとしていた魚の反応がなかなか無いと、子供って飽きちゃうんですよね。すぐに自己流の釣りを展開して変な物を釣るから見ているとこれがなかなか面白い。ウチの次男坊はチカ釣りでデビューして初めて釣った魚がなぜか外道のカレイだったし、長男坊はヒトデをよく釣ります。いつだったか「うわぁ!大物だぁー!」と竿をしならせて、でっかいウミウシを釣り上げてギャラリーを笑わせたこともあったっけ。

 彼らとは違い、娘の場合は嬉しい外道が多いかもしれません。いつものようにチカ釣りをしていたある日のこと、ウグイ以外の外道が娘のサビキにかかりました。

「な、なにこれ? ドジョウ??? キモッ!……でも、よく見ると可愛いかも(笑)」

 どうやら、サビキ仕掛けを一度底まで落としたときにパクリと食いついてきたらしいその魚は、僕もいったい何であるかわからなかったけれども、毒魚ではないようでしたし、めんどくさいからチカと一緒に天ぷらにして食べてみたんです。

……んまーい!

 予想外の美味さに驚いた僕は本などを漁ってこの魚が「ハゼ」であることを知ったのでした。

万人に愛されるハゼ釣り

 このハゼ、釣りとしてはイージーな部類に入り老若男女問わず誰でも釣れるし、数を釣ろうと思ったら奥の深さもあるターゲットです。そしてなにより、美味しいのにお魚屋さんではまずお目にかかれない魚。これから釣りを始めるという人がいるなら、ぜひオススメしたい釣りです。

 ハゼ釣りの仕掛けはどこの釣具店でもセットで売っているのでまずはそれを買って仕組みを覚えておくといいでしょう。ちょっと慣れると自分でも簡単に作れるようになります。

 餌はイソメがポピュラーですが、僕は気持ち悪いし齧ってきて腹立つしでいまだに苦手です。でも、イソメ型の疑似餌も今では売っているし、魚を短冊上に小さく切っても餌になるし、エビでも釣れます。はっきり言ってなんでも釣れるんじゃないかなと思うときがあるくらい、ハゼは好奇心も食欲も旺盛です(笑)。

魚の気持ちになってみる

 どんな仕掛けでどんな餌ならよく釣れるのか。釣具店の店員さんに訊けば丁寧に教えてくれます。でも、実はもっと大事なことがあることをハゼは僕に教えてくれました。たまたま外道として釣れて、しかもやたら美味かった〝謎の魚〟を知りたくてこのときの僕はネットやら図鑑でハゼの生態を調べてみたんです。

 ハゼは砂や泥を好み、泳ぎがそれほど得意ではないこともあって上・中層に浮いてくることはまずなく、底あたりをウロウロして身体のわりには大きな口で虫や小魚を丸呑みして過ごしているようです。寿命は1年ほど。春に岸寄りして産卵して多くはその命を終え、産まれた幼魚は浅場で秋口までプランクトンや虫などを食べて成長し、冬になると沖の方へ移動していきます。釣りで一般的に狙うのは夏から秋にかけてほどよく大きくなった個体です。

 魚のことを知ると、どうやって釣ればいいのかが見えてきます。まず水深はそれほど深い場所でなくてもよく、泥か砂の底に仕掛けを落としてずるずると引くか、たまにストップしたりチョンチョンと浮かせて好奇心を煽れば食いついてくるはず。泳ぎもあまり得意ではないから、満潮に向かう時間帯、つまり上げ潮のときに潮に乗って足下に寄ってくるんじゃないか──。

 そうなると釣り方としてはいわゆる「ちょい投げ」釣り。ちょい投げとはその名の通り5g程度の比較的軽いオモリをつけて足下からせいぜい20m先までをちょいっと投げる釣りのこと。竿を持つとニンゲンというのはできるだけ遠くに仕掛けを投げたくなる生き物ですが、いきなり上手く投げられるはずもないし周囲に人がいるとかなり危険です。狙ったところに仕掛けを落とす、というキャストの基礎を学ぶ練習としてもちょい投げはかなり有効です。

「ねーねー! 今の見たー!? すごく遠くまで飛ばせるようになった!」

 我が子らも竿を持って投げる釣りとなると、どこまで遠くに飛ばせるかと競争を始めるんですが、沖のほうに飛ばせたからといってハゼが釣れるわけではありません。

「ぜんぜん遠くに投げれなーい」と、いじけ気味の次男坊にハゼという魚がどんな魚なのかを話したら、

「そしたら遠くじゃなくて近くにいるかもしれないね!」と、自分の足下にポチャンと仕掛けを落とす次男坊。そして仕掛けをちょいちょいとたまに動かしています。いくらなんでもそんな近くにいないでしょ、と思っていた矢先、

「釣ったどー!」との雄叫び。その後もキャストすることはほとんどなく彼の足下から次々とハゼを釣り上げていくのでした(笑)。

 魚の気持ちになって作戦を練り、シナリオ通りに釣ったときの満足感は人を釣りの虜にします。「釣れた」のではなく「釣った」ことの喜び──。ハゼはそれを僕ら家族に教えてくれたような気がするのです。

 ……といっても、すべてがシナリオ通りにいくわけもなく、まったく釣れないときも往々にしてあるわけで、そのツレなさにまたソソられてしまうし、釣れなくても海に居るだけでも気分がいいのが釣りという趣味の良いところなんですよねぇ。家内に言わせれば「あなたのダメなところ」らしいけど…。


(『北方ジャーナル2016年7月号』掲載)

※無断転載を禁じます。(C)Re Studio 2016年

前回(vol.1)記事はこちらです。


北方ジャーナル』2016年6月号に掲載されたコラム『根掛かり人生 ~今日も地球を釣っています…~』の第2回です。


Vol.2

初めて釣った謎の魚
それは嫌われ者の謎の魚


範を示してこそ親…

 初めての釣りがほろ苦い思い出、いやむしろトラウマになりかねない結果となってしまった我が家の子供たち。初釣行の後、まったくと言っていいほど釣りのことは口にしなくなってしまった。しかし、このままでは終われない。道具一式揃えるのに1万円近くも投資して、その結果が地球を釣ったトラウマしかないなんて悲しすぎるじゃないか…。

 とはいえ、また闇雲に釣りに出掛けても「釣りというのはとっても辛く悲しい」という印象を強めるだけのような気もするし…。まずは親である僕がちょっとでも釣れるようになってから子供たちに教えてやろう、ということで一人で港へ行ってみることにした。

 釣り場は釣り初心者やファミリーに人気という小樽の色内埠頭。公園と一緒になった埠頭なのでトイレもあり、時期によって実にさまざまな魚が釣れる。ファミリー向けとはいえ、釣り方によっては玄人も満足できる小樽随一の良い釣り場だと僕は思っている。

 昨年の7月某日。その色内埠頭へ一人寂しく釣りに出掛けた。狙う魚は…わからない! ここの海にはどんな魚がいるのかわからないから狙いもわからないのは当然で、餌も何を選んでいいのか、ここでもやっぱりわからない。餌売り場で腕組みしつつ、手にとったのはチューブタイプになったオキアミの練り餌。その理由は「これは手が汚れないらしい」というだけなのであった…。

 仕掛けは前回の釣行ですべてダメになってしまったので、ここでも懲りずにもはや定番となった「サビキ釣りセット」を買ってみた。

ビギナーズラック…?

 埠頭に着いて周囲を見渡すと平日のお昼にも関わらずそこそこ釣り人がいて、その中の最も人が良さそうなオジサンに挨拶してみた。

「いやぁ〜、夏枯れなのかね? かんばしくないねぇ」

 魚が釣れなくて暇なのか、訊いてもいないことをどんどんしゃべるオジサン。どうやら定年退職後に何か趣味を持とうと釣りを始めてみたら、これが実に楽しいらしくほぼ毎日顔を出しているらしい。真夏は港にいると潮風が心地よく釣りには絶好の日和が多い。けれど水温が高くなりすぎた港には魚があまり入って来なくなるようでそれを「夏枯れ」というのだそうだ。それでもチカやカタクチイワシが寄ってくることもあるのでサビキ釣りに来ているのだという。

 よしよし、サビキ釣りの仕掛けで問題ないのだな、とわかったところで隅っこのほうで準備を始めた。右も左もわからない僕には周囲の人がみんな玄人に見えたので、あまり邪魔にならないようにひっそりと釣りというものを勉強したかったのだ。

 購入した「サビキセット」の説明書き通りに仕掛けをセットする。糸の結び方はいわゆる「漁師結び」。別名「完全結び」といわれる結び方でいかにも強そう。素人にもわりと簡単な結び方でかつ強力なので僕は今でも多用している。ネットで調べ、家で練習してきた漁師結びで仕掛けを作り、手が汚れない練り餌を餌カゴに注入。周囲の釣り人がやっているようにサビキ仕掛けを投げずに、岸壁から糸をポチャンと垂らすだけにしてみた。

 糸を垂らしてみたけれど、いったいどれくらいの深さにすればいいのだろうか。リールを慣れない手つきで操作して糸の長さを調節していると、ものの数十秒で感じたことのない感覚が…。

 プルンプルン……!

 ん? もしかして釣れてる? もしかしてこれがビギナーズラックってやつなの!? わけもわからぬまま、リールを巻くと、なんだかわからない魚が釣れている! そして実によく暴れている! どうしていいかわからずにいるうちに魚は暴れまくってあっという間にサビキの針と糸をぐちゃぐちゃに絡めて使い物にならぬようにしてしまった。ここでも僕の用意したサビキセットは1セット。僕の一人での初釣行、これにて終了である。

 しかし、今日はまだいい。魚が釣れている。なんだかよくわからない魚だけど、ネットで調べたら毒魚ではないらしいし、焼けば何でも食えるだろうと、帰宅してすぐに塩焼きにして食べてみた。

 ……んまいっ!!

 今まで食べてきた焼き魚はいったいなんだったのかというほどの臭みのない上品な香りと深い味わい…。この小さな一尾を4人の子供たちにもちょっとずつ食べさせたが、みんな目を丸くして驚いていた。

今でも謎の魚です

 7月某日。今度こそ、子供たちに魚を釣らせてやろうと色内埠頭へ。すると釣れるわ釣れるわ、僕と同じ魚が。僕も30㎝はありそうな大きなのも釣れて仕掛けはダメになってしまったし、家族分は釣れたのでその日も早めに引き上げて晩ご飯の食卓にみんなの釣果を並べた。一口食べて家族の笑顔が広がるはずであったが…。

 ……マズい! マズすぎる! おえぇぇぇ…。

 前回食べた魚と同じ種類なのに、あれはなんだったのかというほどの強烈な生臭さと、汚泥まみれの川を連想させるようなドロッとした味わい…。

 後に知ることになるのだが、僕らが初めて釣った魚はウグイ。産卵期に腹が赤くなるのでアカハラとも呼ばれる魚だ。釣り人の間でもこの魚の味の評価は分かれるようで、釣ったら美味しいから食べるという人もいれば、リリースもせずにその辺に打ち捨てる人も。サビキ仕掛けをダメにする魚としても嫌われている。

 せっかく釣った魚なのだから打ち捨てるのはあんまりだと思った僕はその後もウグイをなんとかして食べようと試みた。わかったことは15㎝に満たないくらいの小さなウグイは塩焼きにすると実に美味しい。でも、外れを引くと吐くほどマズい。刺身にすると大きくても美味しく食べられるが小骨が多くて大変。しかし釣ってすぐ暴れる前に締めてしまえば、小骨は肉に刺さらず刺身をラクに美味しく頂ける、らしい。

 いずれにせよ、食べるのはちょっと面倒なことが多いので、結局のところ僕はリリースするか、持ち帰って捌き、ウグイの切り身を餌にして今では他のおいしい魚を釣っている。これがまた良く釣れるし、経済的なのです。その辺のお話はまた今度。

(※小樽の色内埠頭は2018年6月現在、工事のため立ち入り禁止となっています)

(『北方ジャーナル2016年6月号』掲載)

※無断転載を禁じます。(C)Re Studio 2016年