自由研究は昆虫採集じゃなくて、昆虫制作?

ストリーミングなどが主流になりつつあるこの時代、ジャケ買いなんて言葉は音楽業界になくなるのかな。

でも、プラモの世界ではまだまだあるよね。

模型屋さんでこのプラモを見たら買わずにいられませんでしたね。

このシンプルなジャケット。


素晴らしいじゃありませんか!


この箱に入ってるのはカブトムシ以外の何物でもないと主張しつつ、まったく飾る気のないフォントで書かれた商品名『カブトムシ』。


シンプルすぎてこれはもう買うしかない、そして作るしかない。


『カブトムシ』 [フジミ 1800円(税抜)]。作ってみると実に簡単で楽しい模型でした。


ところで発売元のフジミさん、「自由研究シリーズ」であるこのキットの発売時期が実にビミョーだったのよね。

夏休みの自由研究に合わせての発売なんだろうけど8月17日発売(去年のね)って…。


夏休み終わるじゃねーか! 


ついでに申しますと続編である『クワガタムシ』も発売されてまして、こちらは8月30日の予定が遅れて9月3日発売…。


北海道の夏休みは短い。そして、最近はカブトムシも捕まえられるようになったそうだけど、北海道で馴染みがある虫といえばやっぱクワガタだよね。それが間に合わないって寂しかったよね。


始業式までギリギリどころか間に合わないというまさに夏休みの宿題らしいキットの発売。


フジミのそんな強気な姿勢に「宿題やってきたんだけど持ってくるの忘れた」なーんて言い訳を思い出させてもらったよ、まったくもう。 


今年の夏には新作として「オオカマキリ」と「ザリガニ」の発売が控えていて、こりゃ買うしかねーな!と期待しまくってるんだけど、相変わらず夏の終わりに発売なんだろうか。そうだとしたら安定感あるよね。ある意味、楽しみ。


さて、このキットを買って帰ったら、うちの息子も食いつく食いつく。


「えー! こんなプラモあるんだぁ!」とまあ父親と同様に作りたくて仕方がないみたい。カブトムシを巡って親子ゲンカになりそうだったが、大丈夫。

このキット、カブトムシが2体入っているのである。


定価1800円と聞いてそれなりにするなぁと思ったけれど、1体900円ならそれほど高いもんじゃない。話題性を考えたら、むしろ安い部類のプラモだと思うぞ、これは。


組み立てに関しては難易度が低く、プラモに馴染みのない子供でも楽しめるでしょう。


手でパーツをもぎ取れるのでニッパーが要らない仕様だし。


でも、これって触覚のような細かいパーツはもぎ取った拍子に破損したり傷つくこともあるので結局ニッパーを使っちゃうのよねぇ…。

こういう一見すると親切な仕様ってホント余計なお世話だと思う。


一方で設計に関しては二重丸の出来。パーティングラインがちょっと気になるが、パーツとパーツの合わせ目の処理はまったく必要がない。


そのために可動部分が少なくなっているのが残念だけど、これはまあ「プレイバリューよりもリアリティー」という設計思想によるものなのだろうから仕方ない。


ちなみに足の可動部分は人間でいうところの肩のみ。手首や肘は動かない。

しかし、頭をかしげることはできるので、それなりにポーズの自由度は高い…と思う。 

 仮組みが終わった状態。手のひらに乗るちょうどいいサイズ感。キットにスケール表記はないが「1/1(個体差があります)」といったところか。


このキットを僕は制作物の展示会場で暇つぶしに組んでいたんだけど、来場者がこれまた食いつく食いつく。

「へ〜、ありそうでなかったねぇ。買ってみようかなぁ」という声をいただいたし、女性陣からはプラモ好きのオタクというより少年の心を忘れないオッサンという温かい視線をいただいた気がしましたよ。気のせいかもしらんけど。


さて、組むのは簡単だったけど、難しいのは塗装だ。

虫を塗ったことがあるモデラーがいったいどれだけいるのだろうか(笑)。

とりあえず、僕は艦底色を吹いてからシャドウをつける感じで黒を吹いてみた。

足を塗装しているときは、この時点でゴキブリとの差がわからなかったけれども。


だけど、そんな塗装の難しさが上級者も楽しめるこのキットの懐の深さ、凄さだし、なにも実物に似せて塗装する義務なんて誰にもないこともお忘れなく。


プラモなんだからピンク色でも水玉模様でもいいから自由に塗って楽しめばいいのだ。


僕は2体目をコガネムシっぽく塗装して遊んだ。


こんな遊び方ができるのも2体付属しているからであり、カブトムシをわざわざプラモにした意味なんだろうなぁと僕は思う。

そういえばこのキット、 羽根つき(生理用品みたいな表記)なので飛行形態も再現可能。

ダンバインにも流用する人が出そうだけど、その精度はそれほどでもない・・・。

完成して写真を撮ってみたけど、なんか違うよね。こういうのはやっぱり屋外で撮影したい。




でも、周りに人がいないほうがいいな。

僕なんか近所の人に「なにしてんの?あ!カブトムシ!」なーんて言われて、

「あー、これ、カブトムシじゃないんです! いやカブトムシなんだけどプラモなんです!」ってアタフタしてしまって面倒くさかったぞ。諸君も気をつけてくれたまえよ。

モケモケ釣り釣り

晴れの日は釣り人、雨の日はモデラー。仕事はいったいいつするので?

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