制作記の長すぎる前置き

40歳になっても干支が覚えられない男

まさぼんです・・・


さて、今年で6度目の挑戦となるめっこさんのGBWC(ガンプラビルダーズワールドカップ)制作記です。


話は昨年末にさかのぼります。

めっこさん、昨年のGBWC2015は「ラストシューティング」で挑みました。

去年より今年、去年より今年、とそのときの「自身最高の作品」を作り出せるよう続けてきた5年間の集大成のような作品でした。

すでにさまざまなモデラーが挑戦し、手垢まみれの題材である「ラストシューティング」。

これをテーマに制作するのはかなりリスキーだと思いました。

でも、本人が「いつかはやりたいけど、まだまだ未熟だし、、、」と言っていたので、そんな「いつか」は来ない。一番やりたいものでやったほうがいいんじゃない?って話したと思います。

めっこさん、来年から中学生。本人も目指している将来目標がはっきりしており、学業を第一に学校生活を送るつもりでした。だから、これが最後の挑戦になるかもしれない。一番作りたいものを作るべきじゃないかな、と思ったわけです。


めっこさんも作品タイトルそのままの気持ち、つまりこれが最後の挑戦だという気持ちで制作にあたっていました。


結果は世界2位。


表彰式では「また壇上にあがれて嬉しい」と述べていましたが、その日のうちにやっぱり悔しくなったみたい。


「今年が最後じゃなくてもいい?」

と訊くめっこさんに僕は、

「家のこと、弟たちのこと、勉強のことがしっかりできてたら、また家族も協力してくれるんじゃないの?」

と応えたと思います。


ついでに制作の宿題も与えました。

シーン再現はやめてオリジナルのものを作ってみなさい、と。


めっこさん、近年はコンテストでずっと「シーン再現」にこだわって作ってきました。


GBWC2013では逆襲のシャアのアクシズ落下シーンを。

このとき、多くの方が展示会場で足を止めて見入ってくれて、めっこさんはとても嬉しく、そして何かを掴んだのだと思います。

GBWC2014ではポケットの中の戦争のケンプファー撃破シーンを。

ガンプラ王2015ではスターダストメモリーのGP01大破シーンを。

同じ年のGBWCでは先述の名シーン、ラストシューティングを。


アニメのシーンは、再現することで観る人にとっては馴染みがあり、心を掴みやすい。

まさにツカミはオッケーとなりえる素材です。

作る側と観る側との共通言語に近いのがシーン再現ジオラマなわけですが、実際のアニメシーンをそっくりそのまま、完全再現したところで作品の魅力は不思議とあまり大きなものにならないことが多いです。


「え? こんなんだったっけ?」


アニメのシーンは、鮮明で正確なところが人々の頭に記憶されているのではなく、実はそれぞれの思いが付加されてちょっと違ったカタチとなって人の心に残っています。また、3次元に再現することで2次元の嘘もたくさん露呈してきます。


だから、ある程度のデフォルメは観る人の理解を助けるし、めっこさん自身はシーンを再現するにあたって、ただ再現するのではなくジオラマの魅せ方にこだわって挑戦的なレイアウトをしてきました。


めっこさん自身、シーン再現が大好きでそこに持ち味があるのでしょうが、それを封じなさい、と僕は宿題を出しました。目標の世界一どころか、日本大会の予選も危ぶまれるかもしれないけど、長い目で見ればきっと本人の力になるんじゃないかな、と思っていたんです。


今日の晩御飯、なにがいい?と訊いて「何でもいい」と言われたときと同じように、「自由に作っていいよ」と言われれば、かえって困るもの。めっこさんもかなり悩んでました。


「オリジナル?オリジナリティ?オリジナルストーリー???」


ぐるぐる悩んでいるだけで数ヶ月が経っていたと思います。

大好きなSEED系のプラモをひたすらパチってアイデアが降って来るのを待っていたりもしました。でも、降って来ない。


「作りたいものはあるけど、とてもコンテストで通用しそうもない。こんなストーリーじゃたぶん誰にも伝わらない」


そう悩んでいたので、それじゃあ単純に使う機体を考えようか、それからストーリー考えようか、って話しました。


「それじゃあ、ザク!」

「やっぱりザクだよなぁ」

「去年ガンダムだったから」

「それだけ?」

「それだけ!」


そんな調子でザクのMGを使うということまでは決まったものの、どんなジオラマを作るのかまったく決まらないまま、また日々は過ぎていくのでありました。。。。

モケモケ釣り釣り

晴れの日は釣り人、雨の日はモデラー。仕事はいったいいつするので?

0コメント

  • 1000 / 1000